口元のたるみ・ほうれい線の原因は？やりがちなNG習慣・口元ケアについて

表情筋の衰え

口元の印象に大きく関わるのが、顔の筋肉である表情筋です。特に口周りにある口輪筋は、口元全体の筋肉を支える重要な役割を担っています。

表情筋は日常生活で意識して動かす機会が少ないため、使わないと少しずつ衰えやすくなります。パソコンやスマートフォンを長時間見ているときは無表情になりやすく、口角が下がってくることがあります。また、会話の減少や柔らかいものばかりを食べる習慣も、表情筋の衰えに影響する場合があります。

肌のハリと弾力の低下

加齢や生活習慣によって変化しやすいのが、肌のハリや弾力です。肌は真皮層にあるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの成分によって支えられています。

年齢とともにこれらの成分が減少すると、肌の支えが弱くなり、頬や口元の皮膚が下がりやすくなります。乾燥も肌の状態に影響する要因の一つで、バリア機能が低下するとハリや弾力も低下します。

日常の悪い姿勢も影響

意外に思われるかもしれませんが、日常の姿勢も口元のたるみにつながる要因です。長時間スマートフォンを見たり、猫背の姿勢が続いたりすると、首から肩の筋肉が緊張し、血流が滞りやすくなります。結果として顔の筋肉がこわばり、むくみやすくなることがあります。こうした状態が続くと、たるみの一因になる場合があります。

このように、口元のたるみやほうれい線は、表情筋の変化、肌のハリや弾力の低下、姿勢などが複合的に影響して引き起こされます。日々の意識やちょっとした習慣の工夫が、口元の印象を整えることに役立ちます。

無意識の噛み癖や頬杖

食事の際、片側だけで噛む癖があると、顔の筋肉のバランスが崩れやすくなります。片方の口角が下がったり、特定の部分に負担がかかったりして、たるみやほうれい線が深くなる一因になります。また、考え事をしているときなどに頬杖をつく習慣も、顔の一部に圧力がかかるため、たるみを引き起こす可能性があります。

猫背やうつむく姿勢

長時間スマートフォンやパソコンを見ていると、首や肩の筋肉が緊張し、血流が滞りやすくなります。顔の筋肉もこわばりやすく、むくみやたるみにつながります。

対策としては、1時間ごとに軽く首や肩を回す、画面の高さを目線に合わせて調整するなどが挙げられます。

柔らかいものばかり食べる習慣

普段の食事であまり噛まないことが多いと、口周りの筋肉や表情筋を使う機会が減り、少しずつ衰えやすくなります。硬めの食材や噛み応えのある食事を意識して取り入れることで、口元の筋肉のトレーニングにもつながります。

口呼吸

口で呼吸する習慣があると、無意識のうちに口元が緩みやすくなります。口が常に開いた状態が続くと、口輪筋が使われにくくなり、衰えてしまうことがあります。対策のヒントは以下のとおりです。

• 鼻呼吸を意識する
• 就寝中に口が開きやすい場合は、口を軽く閉じる意識を持つ

なお、鼻づまりなどの症状が続く場合は、医療機関に相談しましょう。

日常の何気ない習慣が、口元の印象に少しずつ影響します。「噛み方」「姿勢」「食事」「呼吸」にも意識を向けましょう。

表情筋を鍛えるトレーニング

日常的に表情筋を意識して動かすことで、顔全体の血行が巡りやすくなります。

「あいうえお」体操

大きく口を開けて「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」と発声します。それぞれの母音で口の形を意識し、ゆっくりと動かします。5回ほど繰り返しましょう。

頬を膨らませる体操

口の中に空気をためて頬を膨らませ、次に頬をすぼめて口を尖らせます。そのまま数秒キープし、数回繰り返します。口周りの筋肉をまんべんなく動かすことができます。

舌筋×顎下筋群のトレーニング

舌を動かす舌筋と顎の下にある筋肉の顎下筋群は、フェイスラインの引き締めにかかわる構造筋です。この構造筋ペアを鍛えると、表情筋トレーニングの効果が高まります。基本練習には「舌上げ顎締め連動法」があります。

ステップ1：正しい舌の位置を確認

正しい舌の位置は、上の前歯の裏側にある「スポット」という場所に舌先が軽く触れ、舌全体が上顎についている状態です。スポットポジションは次の方法で確認できます。

1. 「ラ・ラ・ラ」と声に出して発音してみる
2. 舌先をスポットに軽く吸い付けるようにし、舌全体を上顎に沿わせる

この状態を覚えて、キープできるようにしましょう。

ステップ2：連動動作

1. 舌を正しい位置に置く
2. そのまま顎下に軽く力を入れる
3. 両方の筋肉で15秒キープ
4. 力を抜いて5秒休憩

この流れを1セットとして8回繰り返します。1日2セット行いましょう。

肌の乾燥対策と保湿ケア

乾燥は肌のハリに影響するため、日々の保湿ケアが大切です。

美容液で保湿

洗顔後、すぐに美容液（ビアゴセラム）を塗布し、肌にうるおいを与えます。

美容液での保湿が、肌にハリを与え、柔らげて滑らかにします。口元は特に乾燥しやすい部分ですので、丁寧なケアがポイントです。

シートマスクの活用

週に1～2回程度、保湿成分が含まれたシートマスクでスペシャルケアを行うのもおすすめです。部分的に使用できる製品もあるため、気になる部分のうるおいを補えます。

めぐりを意識したやさしいマッサージ

顔周りの血行やリンパのめぐりを意識して、両手の指の腹を使い、あごから耳の下、首筋から鎖骨に向かってやさしく流します。肌を強く擦らないように注意し、すべりを良くするためにクリームやオイルを使用しましょう。ただし、痛みや違和感がある場合は中止してください。

これらのケアは、毎日少しずつでも続けることが大切です。